TOP サービス一覧 選ばれる理由 導入事例 会社概要 お問い合わせ
資料ダウンロード 無料で相談する
院長の体力2023年6月〜2025年12月の記録No.01

院長の疲労度を「10段階」で3年間聞き続けたら分かったこと

経営会議の冒頭で、院長に1つだけ質問をしています。「この1ヶ月の疲労度は、10段階でいくつですか」。2023年6月に始めて、3年目になります。数字を並べてみると、院長の疲れ方には形があることが分かってきました。

PROBLEM困っていたこと

小さな歯科医院では、院長の体力がそのまま医院の上限になります。院長が無理をすれば診療の質が落ち、倒れれば医院が止まります。

それなのに、私たちは院長の体力を一度も測っていませんでした。院長に聞いても返ってくるのは「なんとなく疲れている」。この答えでは、診療の枠を減らすべきか、人を増やすべきかを決められません。

実は前の年、スタッフ全員に月1回の健康チェックをフォームで送ったことがあります。施策の効果を、売上ではなく体調で確かめたかったからです。院長からは「月1回でいい。ほかの人の回答が見えてしまうことは、きちんと説明して」と注意が入りました。ただ、集めた答えを経営の判断に使うところまでは届きませんでした。

ACTIONやったこと

2023年6月、経営会議の冒頭で院長に「この1ヶ月の疲労度は、10段階でいくつですか」と聞くことを、毎月の定例にしました。

物差しは1から10までの10段階です。数字が大きいほど疲れていて、10がいちばん疲れた状態を指します。体力の点数ではないので、数字が高いほど良いわけではありません。

続けるうちに、院長自身の物差しも言葉になりました。2024年10月に院長が話した内容を並べると、次のようになります。

5以下「働いていない自分にストレス」を感じる
7「心地よい疲れ」
8以上「きつい」
10いちばん疲れた状態

9月には、毎日の記録に広げました。院長が診療室のホワイトボードに、午前と午後に治療した人数を書き、その下に疲労度を書き込みます。人数と疲れを、同じ日の同じ場所に並べるためです。

2024年1月からは経営会議の正式な議題にし、第3土曜の「院長の負担確認」に固定しました。疲労度と一緒に、ユニットの組み方・治療の種類・診療人数との関係も、その場でメモしています。

NUMBERS数字

始めた2023年6月、院長の疲労度は7〜8でした。同じときに聞いた精神的な負担は2です。体は疲れているけれど、気持ちの負担は軽い。ここが出発点でした。

9月にホワイトボードで毎日の記録を始めると、診た人数との関係が見えてきました。午前12人・午後9人の日は、午前8・午後7。11人・8人の日は7・5。10人・6人の日は5・5です。診た人数が多い日ほど、疲労度が高くなっています。同じ月には、診療中に9まで上がった疲労度が、休憩をとると6まで下がることも分かりました。

ただ、人数だけでは決まりませんでした。10月の記録では、ふだんは5の日が多い一方で、大きな自費の補綴が2件続いた日は10まで跳ね上がっています。疲れを左右するのは、人数と治療の重さの組み合わせでした。

それから2年。毎月の確認を続けた2025年末には、疲労度は6前後で落ち着いています。

MISSうまくいかなかったこと

1つ目は、続けることの難しさです。ホワイトボードに書き始めて2週間ほどで、「本日忘れました」の日がありました。毎日の記録は、院長1人の頑張りに頼ると途切れます。月1回の会議で必ず聞く形を残したのは、そのためです。

2つ目は、数字と体の感覚が一致しないことです。2023年末の振り返りで、院長は「2021年と比べて150%。回復が遅い」と話しました。2024年6月の面談では「仕事量は減っているが疲れている」。疲労度の数字は下がっても、回復の遅さは残りました。数字が良くなることと、体が楽になることは、同じではありませんでした。

TRY医院で真似するなら

経営会議がなくても、院長お一人で今日から始められます。診療が終わったら、手帳かカレンダーに「今日の疲労度」と「今日診た人数」を1行だけ書いてください。最初に「10がいちばん疲れている」と決めておけば、日によって物差しがぶれません。

書く場所は、毎日必ず開くものの近くがおすすめです。私たちの医院でも、ホワイトボードに書くだけの記録は2週間ほどで書き忘れが出ました。アポ帳を閉じるとき、日計表を確認するときなど、いつもの作業の直後に書くと決めておくと続けやすくなります。

1ヶ月たったら、ご家族や事務を手伝っている方に、記録を見ながら「この1ヶ月はいくつだった?」と聞いてもらってください。毎日の記録は1人だと途切れがちです。私たちが月1回、人に聞かれる場を残したのもそのためです。人数と疲労度が並ぶと、「何人を超えるときついのか」が見えてきます。

注意が1つあります。疲労度を下げることだけを目標にしないでください。院長によっては、空いている日のほうがかえって疲れます。

院長はこう言います。「枠が空いていることがストレス」。疲れの数字の裏には、患者さんを診たいという気持ちがありました。

文: 息子(医院の経営を手伝っています)/監修: 院長

医院の経営について、同じ立場で話を聞いてみたい院長先生はこちらからご相談ください。